となりのAI ・ 実装シリーズ ・ 第2回

なぜ今、医師が
バイブコーディングなのか

前回は「なぜAIを使うのか」。今日は、その一番強い使い方。
自分の道具を、自分で作る。なぜ今それなのかを話します。

となりのAI ・ 実装シリーズ ・ 第2回 / Why Vibe Coding
となりのAIThe World, Already Here

まず、視野を上げる

SFは、もう
"観て待つもの"じゃない。

これまでは、映画で未来を観てワクワクしていました。
今は、その未来が作られていく過程の中に、自分がいる。
続きを待つより、今このときのほうが、おもしろい。
未来を、ただ待つ時代ではなくなりました。

となりのAIAlready Happening

ドラえもんの道具を、自分で作れる時代

「ひみつ道具は、誰かがくれるもの」でした。今は、自分で作れる。しかもこれは医療の外で、もう普通に起きていることです。

Who is building 63% バイブコーディング利用者のうち、コーディング経験がない人。作家・学生・投資家が、数時間でアプリを公開しています。
One-person company 33% 新規スタートアップの3社に1社が、たった一人で創業。6年前は4社に1社未満でした。
Tool explosion 10×/年 道具を作る側(Cursor)の売上が、1年で10倍。Lovable・Replitも半年で評価額が数倍に。

専門家でなくても、自分の道具を自分で作る。次は、実際に作っている人たちを見てください。

出典: Vercel / Carta Solo Founders Report 2025 / Sacra(Cursor ARR)

となりのAIReal People, Real Builds

作っているのは、ふつうの人たちです

自宅で作る人のイメージ 世界で話題 ゲーム未経験が、3時間で Pieter Levels氏がAI(Cursor)だけで飛行ゲームを制作。数週間で月5万ドル超の収益に。イーロン・マスクが拡散し、ゲームに火星が足されました。 3時間 → 月$50K
日本のオフィスで作るイメージ 日本の現場 非エンジニアが、社内ツールを ある企業では非エンジニアの社員が24時間で社内のファイル転送ツールを自作し、外注費を削減。個人がアプリを公開して収益化する例も、続々と。 24時間で1本
医師とAIのイメージ あなたの隣 医師が、自分の道具を 日々の困りごとや、覚えにくいことを、自分にぴったりの小さな道具に。コードを書かずに。題材は、自分の臨床から湧いてきます。 題材は自分の臨床
話題 ・ NEWS 英・コリンズ辞典が「vibe coding」を2025年の言葉に選出(2025年11月)。一過性のバズワードではなく、「作る人」の裾野が広がる社会の変化として受け止められています。
となりのAIEvidence ・ 原典

本物かどうか、確かめられます

A
Andrej Karpathy
@karpathy
X

There's a new kind of coding I call "vibe coding", where you fully give in to the vibes, embrace exponentials, and forget that the code even exists.

訳: コードが存在することすら忘れて、流れに身を任せる。そんな新しいコーディングを「バイブコーディング」と呼んでいる。(この言葉が生まれた投稿)

2025年2月2日 原文を
読む
Karpathy原文ツイートのQRコード
P
Pieter Levels
@levelsio
X

I've never ever made a game before and just made my own flight simulator 100% with Cursor in I'd say 3 hours by just telling it what I wanted. It didn't go 100% smooth ofc, but 80% yes…

訳: ゲームなんて一度も作ったことがない。なのにCursorに「こうしたい」と言うだけで、3時間で自分の飛行ゲームができた。もちろん100%スムーズとはいかなかったけど、8割はうまくいった。

2025年2月 原文を
読む
Pieter Levels原文ツイートのQRコード

どちらも、QRから本人の投稿をそのまま読めます。盛っていません。

となりのAITwo Ends, Same Wave

同じ波の、両端を見てください

世界の最前線 火星に、ロボットを送る イーロン・マスクは、2026年末にヒューマノイド「Optimus」を載せたStarshipを火星へ送ると宣言。有人着陸も早ければ2029年と語ります。"10年後"ではなく、数年後を狙った話です。
あなたの手元 机の上で、道具を作る 同じAIに、あなたは日本語で話しかけるだけ。自分の困りごとが、自分の道具になる。スケールが違うだけで、原理は同じものです。

世界の最前線と、あなたの机は、地続きです。同じ時代の、同じ技術の、両端にいる。

となりのAIDon't Just Watch

だから

観客席に座っているのは、
もったいない。

これだけのことが、数年のうちに起きる時代です。
観ているだけでも、十分おもしろい。
でも、せっかく同じ時代に立っているなら、自分も作る側に回れます。
その第一歩は、すぐ目の前に。

となりのAI第2回 ・ The Fork

AIを「使う」その先に、もう一つ分かれ道がある

使うだけの側 奪われる側 出来合いのAIを、ただ使う。便利だが、自分の困りごとにぴったりの道具は手に入らない。
分かれ道
作る側に回る 増やす側 自分の困りごとを、自分の道具にする=バイブコーディング。AI熟練度が一番伸びる場所。

第1回で見た「AIは能力を拡張するパートナー」。それを一番濃く受け取るのが、作る側に回ることです。

となりのAIWhat "Making" Means

「作る」とは、コードを書くこと

今、インターネットの世界で動くものは、ほとんどすべてコードでできています。そして、コードは「言語」です。

Webサイト
アプリ
SNS
ネット予約
地図・ナビ
ゲーム
決済
ネット通販
</>
コードは「言語」

現代で「ものを作る」とは、もうコードが欠かせない、ということです。

となりのAIThe Old Way

これまで、コードは「特殊なスキル」だった

$ npm run build
async function getDrill(user) {
  const q = await db.query(sql);
  return q.filter(x => x.weak);
}
› compiling 1042 modules…

これまでコードは、真っ暗な画面に、呪文のような文字をカタカタ打ち込むもの。覚えることが多く、エンジニアという専門家のものでした。

だから多くの人が、「自分には関係ない」「作る側にはなれない」と思っていました。

となりのAINow: Vibe Coding

今は、ことばで「作れる」

もう、カタカタ打つ必要はありません。日本語で話しかける。会話する。それだけで、コードができます。

それがバイブコーディング。AIと一緒に作っていく過程です。アイデアと起点さえあれば、いい。「このデータを持ってきて」と頼むのも、もう特殊なスキルは要りません。

あなたこういう道具がほしい、と話しかけるだけ。
AIはい。こんな画面でどうですか? ざっくりで大丈夫です。
あなた必要なデータも、どこかから持ってきて。
AIわかりました。外部から取り込んで、つなぎます。
作っている本人も Claudeを作るAnthropic自身、いまや本番にマージするコードの8割以上をAIが書いています(2026年5月)。うまくいっている人には、非エンジニアも多い。もう、特別な人だけの話ではありません。
となりのAIThe Maker Side

増やす側に回る

自分の道具を、
自分で作る。

となりのAIMy Story
正直に言うと

私も、最初は
半信半疑でした。

私は小児科医です。コードは、書けません。でも、外来でくり返していた「これ面倒だな」を、話しかけて道具にしてみた。半日で、動きました。それから、日々が少し変わりました。特別な人の話では、ありません。

自分の道具を作る医師のイメージ
となりのAIReal Builds, Live Now

非エンジニアが、こんなものを作っています

どれもコードを書けない人が、話しかけて作ったもの。そして今、実際に世界で使われています。

女性の安全アプリのイメージ 社会課題 ・ ブラジル 女性の安全を守るアプリ マーケターの Sabrine Matos 氏がLovableで45日。公的記録から身を守れる「Plinq」。今や2.5万人超が使い、200件以上の危険を未然に防いでいます。 未経験 → 45日で公開
話して作る道具のイメージ Anthropic 公式 話すだけで作った道具を、公開 ClaudeのArtifactsでは、非開発者が話しかけて作った学習アプリ・データ分析・暗記カードなどが、その場で動き、共有もできる。Anthropic自身がギャラリーで公開しています。 話す → 即・動く
予約システムのイメージ 個人の困りごと ヨガ教室の予約システム コーディング未経験の創業者が2時間で予約システムを構築。ログイン・カレンダー・決済つきで、その週のうちに公開しました。 2時間で公開
その場で動かせる

百聞は一見にしかず。3時間でAIだけで作られた飛行ゲームは、今も誰でも遊べます。スマホで読み取って、確かめてください。

fly.pieter.com のQRコードfly.pieter.com
となりのAIWhy Now ①

大事な仕事が、「書く」から「診る」へ

01
頼む
→
02
出る
→
03
診る
→
04
直す

研修医の鑑別を、そのまま信じずに確かめる。AIが書いたものを「診る」のも、まったく同じ動作です。

何を作るべきか、本当に正しいか。それを判断するのが、これからの中心です。その検証こそ、医師の本領。「動けば完成」は、医療では通用しません。

となりのAIWhy Now ②

あなたは、作る本人で、使う本人

作る人困りごとを、自分で形にする
+
使う人それを、毎日自分で使う
=
あなた作る本人で、使う本人

普通、アプリを作る人と使う人は別です。でも私たちは、自分の困りごとを、自分で形にして、自分で毎日使える。

何が要るか、何が要らないかを、誰よりも知っている。だから、誰よりもいいものが作れます。

医師だけの強み

自分の臨床から、題材はいくらでも湧いてくる。

これは、他の誰にも真似できない、当事者性という強みです。

となりのAIFour Strengths

医師がバイブコーディングをやる意味は、4つ

STRENGTH 1検証AIが出したものを医者の目で診る。医師の本業そのもの。
STRENGTH 2安全PHIは入れない。説明できないコードは出さない。最初から織り込む。
STRENGTH 3当事者性作る本人であり、使う本人。題材は自分の臨床から湧く。
STRENGTH 4止まって書く観るだけにしない。手を止めて、自分の一行を書き換える。
縦糸 ・ 安全 患者情報は入れない。説明できないコードは、外に出さない。鑑別の根拠を言えないまま診断を確定しない、という医師の安全文化と同じ。本番で使う回には、施設のルール確認も必ず添えます。
となりのAIAutonomy Slider

毎回、「どこまで任せるか」を宣言する

AIにどこまで任せるか
自分が握る全部AIに任せる ▸

第1回の「タスクの切り分け」を、毎回その場で宣言する実践版です。

任せ方を、自分で決める

体験の段(Lv1)では、全部任せていい。でも保存したり、人に見せ始めたら、握る範囲を自分側に戻す。

任せ方を自分で決められるようになる。これも、この講座で身につけることです。

となりのAIYour Turn

次は、
あなたの番です。

次回から、バイブコーディングで、あなた自身のものを作りはじめます。観るだけで終わらせず、手を動かす。そこから、変わっていきます。

今日できること。Claudeを開いて、「外来でよく使う○○を、かんたんな入力フォームにして」と話しかけてみてください。それだけで、始まります。

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