# 発表原稿：小児の急性中耳炎に、すぐ抗菌薬は要るか？（抄読会・約19分＋議論）

資料：同じフォルダの `index.html`（予備：`handout.pdf`）。AMPL 資料室の見本として置いた版。
数字は作業フォルダの数字台帳（`LEDGER.md`）と同じ値だけを使っている。症例は架空。

## 時間配分

| p | 見出しの要旨 | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 表紙 | 0:30 |
| 2 | 今日の症例：2歳6か月、すぐ出すか | 1:00 |
| 3 | 背景：多くは自然に治るのに8割超に処方 | 1:15 |
| 4 | 今日の結論：鎮痛して3日みる | 1:00 |
| 5 | 問いと論文（PICO） | 1:15 |
| 6 | 方法：今回加わったのは1試験 | 0:45 |
| 7 | 結果：1日目は差なし、上乗せは20人に1人 | 1:30 |
| 8 | 誰に効くか：痛みが残りやすい子ほど大きい | 1:30 |
| 9 | 利益と害：100人で比べる | 1:15 |
| 10 | 待つ方針との比較：確かなのは副作用の増加 | 1:30 |
| 11 | 批判的吟味：厳格に診断した2試験 | 1:45 |
| 12 | 国内GL2024：5点以下は3日みる | 1:15 |
| 13 | 症例に戻る：4点の軽症 | 1:15 |
| 14 | Take home | 1:00 |
| 15 | 議論したいこと | 0:30（ここから議論） |
| 16 | 参考文献 | 映すだけ |
| | 合計 | 約19分 |

## 当日の操作
- 送る：→ か Space、戻る：←。ページ番号を押すとそこへ飛ぶ（2桁は続けて押す）
- O：全ページの一覧（押したページへ入る）。Esc：パネルを閉じる・ズームで入ったページから戻る
- D：自動デモ（約2分30秒）。途中で何かキーを押すと止まる。F：全画面
- 詳細パネル（右から出る）は、質問が来たときに開く「付録」として使う
- 会場のPCでHTMLが動かないときは、配布用PDF（静止表示の16ページ）で発表する

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## p.1 表紙（0:30）
- 話すこと：今日は Cochrane の2023年版「小児の急性中耳炎に対する抗菌薬」を読みます。13試験の統合と、経過観察と比べた6試験の2つの比較です。右が今日の流れで、最初に症例を1つ出して、最後にその症例に戻ります。
- 見せる操作：なし
- つなぎ：では、外来の1場面から。

## p.2 今日の症例（1:00）
- 話すこと：2歳6か月、前日の夜から右耳を痛がって、37.8℃。機嫌はそれほど悪くない。鼓膜はツチ骨柄の発赤だけで、膨隆も耳漏もありません。この子に、今日すぐ抗菌薬を出しますか、それとも3日待ちますか。
- 見せる操作：「考えるための3つの問い」を押す。24時間の痛みに効くか、何人に1人副作用が出るか、日本のガイドラインはこの子をどう分けるか。答えは p.13 で出すと言っておく
- つなぎ：まず、なぜこの論文を読むのかから。

## p.3 背景（1:15）
- 話すこと：急性中耳炎は3歳までに半分から8割以上の子がかかります。高所得国の外来では、85.6%に抗菌薬が出ているという統合値があります。一方で、多くは自然に治る。それでも抗菌薬が標準になったのは、1954年のスウェーデンの試験で、未治療の子の17%に乳様突起炎が出たことが大きい。そこから米国の2013年のガイドライン、今日の Cochrane、国内の2024年版と、待つ方針に移ってきました。
- 見せる操作：85.6% を押すと出所。これは高所得国の外来の統合値で、日本の数字ではないと一言
- つなぎ：先に結論を言っておきます。

## p.4 今日の結論（1:00）
- 話すこと：結論は、軽症なら鎮痛して3日みる、です。根拠は3つ。上乗せはわずかで20人に出して1人、副作用は14人に出して1人増える、国内GLも同じ向き。ただし2歳未満の両側や耳漏では効果が大きく、3日後に再評価できることが前提です。
- 見せる操作：必要なら「20人」のカードを押して p.7 へ（ズームで入る）。Esc で戻る
- つなぎ：では、論文の中身を順に見ます。

## p.5 問いと論文（1:15）
- 話すこと：対象は生後1か月から15歳の急性中耳炎。比較は2つで、プラセボと、経過観察です。経過観察には、あとから出す処方も含まれます。主要な評価項目は痛みと、抗菌薬の副作用です。
- 見せる操作：C のマスを押して、2つの比較の定義を見せる
- つなぎ：どう集めたか。

## p.6 方法（0:45）
- 話すこと：検索は2023年2月まで。今回の更新で新しく入ったのは1試験だけで、それも経過観察の比較のほうです。プラセボ比較の13試験、3,401人は2015年版から変わっていません。
- 見せる操作：13試験の棒を押すと試験の一覧。1968年から2014年まで、古い試験が多いことに触れる
- つなぎ：結果です。

## p.7 結果：時点別（1:30）
- 話すこと：24時間の痛みは差があるとは言えません（RR 0.89）。2〜3日目で差が出て、1,000人あたり159人が113人に、NNTB 20。4〜7日目は差があるとは言えない。10〜12日目は差が大きいけれど1試験だけです。一方で、嘔吐・下痢・発疹は196人が270人に増えて、NNTH 14。
- 見せる操作：2〜3日の行を押して数字のパネル。時点ごとに統合した試験が違うので、線で結んでいないと補足
- つなぎ：では、この「20人に1人」は誰でも同じか。

## p.8 誰に効くか（1:30）
- 話すこと：相対リスク 0.71 が同じでも、もともと痛みが残りやすい子ほど、減る人数は増えます。試験全体の15.9%だと NNT は22、試算です（本文の報告値は20）。スライダーを55%にすると NNT は6。Rovers の個票メタ解析では、2歳未満の両側で NNT 4、耳漏ありで NNT 3でした。
- 見せる操作：スライダーを 15.9% から 55% へ動かす。「高リスク群の実測を見る」でパネル
- つなぎ：では、害と並べるとどうなるか。

## p.9 利益と害（1:15）
- 話すこと：100人に置き換えると、2〜3日目に痛みが残る子は16人から11人に減り、副作用の子は20人から27人に増えます。人数では副作用のほうが多い。ただ、痛みと副作用の重さは同じではないので、どちらを重く見るかは家族と一緒に決めることになります。
- 見せる操作：「抗菌薬なし」→「抗菌薬あり」で点が変わる。消えた痛みは破線、増えた副作用はオレンジ
- つなぎ：では、プラセボではなく、待つ方針と比べると。

## p.10 待つ方針との比較（1:30）
- 話すこと：経過観察と比べると、2〜3日目の痛みは RR 0.53 で NNTB 8 ですが、1試験だけで確実性は低い。副作用は RR 1.87、NNTH 10 で確実性は高い。つまり、確かに言えるのは副作用が増えることのほうです。経過観察群でも、あとから抗菌薬を使った子が24%や38%いた試験があります。
- 見せる操作：「プラセボ」⇄「経過観察」を切り替える。「確実性を下げた理由を見る」で脚注
- つなぎ：この結果をどこまで信じてよいか。

## p.11 批判的吟味（1:45）
- 話すこと：13試験は全部二重盲検をうたっていますが、盲検が適切と判定されたのは8試験。それでも痛みと副作用の確実性は高いと判定されています。気をつけたいのは診断の厳しさで、中耳の貯留液を客観的に確かめたのは13試験中3試験だけ。診断を厳しくした2011年の2試験（Hoberman は鼓膜の膨隆を要件に含む）では、治療失敗が16% vs 51%、18.6% vs 44.9% と差が大きい。ただし評価項目は「治療失敗」で、Cochrane の「痛み」とは別物です。下痢も多い。
- 見せる操作：「盲検が適切」の棒を押す。「2試験を見る」で Tähtinen のタブ
- つなぎ：では日本ではどう扱うか。

## p.12 国内GL2024（1:15）
- 話すこと：国内GLは2024年版が最新です。年齢・耳痛・発熱・啼泣・鼓膜の発赤・膨隆・耳漏のスコアで、5点以下を軽症とし、軽症に限って抗菌薬なしで3日みることを推奨しています（推奨、エビデンスの質B）。中等症以上は AMPC 高用量から。
- 見せる操作：年齢を「24か月未満」にすると +3点で判定が変わる。「推奨の根拠を見る」で海外GLとの違い
- つなぎ：では、最初の症例に戻ります。

## p.13 症例に戻る（1:15）
- 話すこと：この子は、年齢0・耳痛1・発熱1・発赤2で4点、軽症です。鎮痛して、抗菌薬なしで3日後に再評価できます。もし24か月未満だったら7点で中等症、AMPC 高用量になります。家族には、100人に出すと痛みが残る子は16人から11人、副作用の子は20人から27人、と数で話せます。
- 見せる操作：「もし24か月未満なら」を押して、4点→7点、軽症→中等症を見せる
- つなぎ：まとめです。

## p.14 Take home（1:00）
- 話すこと：明日から変えることは3つ。軽症は鎮痛して3日みる。2歳未満の両側や耳漏は早めに考える。そして、3日後に必ず再評価する。待つ方針は、再評価できることが前提です。
- 見せる操作：3つ目を開いて p.13 の流れへのリンクを見せる
- つなぎ：最後に、議論したいことです。

## p.15 議論したいこと（0:30＋議論）
- 話すこと：論点は、3日後に必ず再評価できる受診の流れを当科で作れるか、です。そのための問いが3つあります。鼓膜所見の判定をそろえられるか、厳格に診断した2試験の結果をどこまで持ち込むか、再評価を誰がどう担うか。
- 見せる操作：問い1を押して材料のパネル。議論の中で数字に戻るときは、右の表から該当ページへ

## p.16 参考文献
- 映すだけ。背景の数字は Cochrane の Background からの孫引きであることを、聞かれたら補足する

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## 想定質問と答え

1. 24時間で差がないなら、なぜ抗菌薬を出すことがあるのか
   - 2〜3日目以降にわずかな差があり（NNTB 20）、2歳未満の両側や耳漏では差が大きい（Rovers：NNT 4・3）。国内GLも中等症以上では抗菌薬を第一選択にしている（Cochrane 2023 SoF表1、Rovers 2006、GL2024）
2. 2歳未満はどうするのか
   - 国内GLでは24か月未満は3点加算され、中等症に入りやすい。AAP では6〜23か月の両側・非重症は抗菌薬を出す（KAS 3B）、片側の非重症は抗菌薬か経過観察を選べる（KAS 3C）（GL2024、Lieberthal 2013）
3. 日本の耐性菌の状況は、どう関係するのか
   - 国内GLは、薬剤耐性菌による急性中耳炎が増えている現状を、軽症に抗菌薬を使わない理由の1つに挙げている。具体的な耐性率は今回の資料では扱っていない（GL2024 CQ3-4）
4. 経過観察群でもあとから抗菌薬を使った子がいるのに、比較になるのか
   - その通りで、Spiro 2006 で24%、Little 2001 で38% が使っている。これは「最初から出す」と「待って必要なら出す」の比較で、抗菌薬ゼロとの比較ではない。プラセボ比較（13試験）が薬の効果そのものを見ている（Cochrane 2023）
5. 厳格に診断した2試験と Cochrane の結果が違うのはなぜか
   - 評価項目が「治療失敗」で痛みとは違い、対象も6〜23か月・6〜35か月と低年齢。どちらも診断を厳しくしている（Hoberman は鼓膜の中等度以上の膨隆を要件に含む。Tähtinen が膨隆を要件にしたかは原文で未確認）。Cochrane の13試験のうち、中耳貯留液を客観的に確かめたのは3試験だけ（Le Saux 2005・Tähtinen 2011・Tapiainen 2014。出典：Cochrane 2023、Hoberman 2011、Tähtinen 2011）
6. 鎮痛薬は何をどのくらい使うのか
   - 国内GLは、耳痛・38.5℃以上の発熱に acetaminophen 10〜15mg/kg の頓用を選択肢としている（GL2024）
7. 3日待って悪化したらどうするのか
   - 改善がなければ AMPC 高用量を3〜5日。経過観察は初診から3週まで（GL2024 軽症の治療アルゴリズム）。AAP では48〜72時間で改善しなければ抗菌薬（Lieberthal 2013）
8. 重い合併症（乳様突起炎）は増えないのか
   - 3,000人強のうち乳様突起炎は抗菌薬群1例・プラセボ群1例で、確実性は低い。数が少なすぎて差は言えない（Cochrane 2023）。1954年の未治療17%は準ランダム化の古い試験で、今の診療とは前提が違う（私見）
9. NNT 22 と 20 はどちらが正しいのか
   - 論文本文の報告値は NNTB 20。p.8 の22は、表の値（プラセボ群159/1000 × RR 0.71）から計算した試算で、算出方法が違う（Cochrane 2023 SoF表1）
10. 高所得国の試験を日本に当てはめてよいのか
    - 13試験はすべて高所得国で、日本も高所得国に入る。ただし試験の多くは古く（1968〜2014年）、今の日本の状況（ワクチンの普及や耐性菌）と同じとは限らない（試験の年はCochrane 2023、耐性菌はGL2024。当てはめの判断は私見）
