となりのAI ・ 実装シリーズ
医師のための、AIの任せ方。
「どこまで任せていいのか」に、今日から使える6つの術で答えます。
前回の最後に、こう言いました。毎回、どこまで任せるかを自分で決める。アクセルとブレーキを、その都度、踏み分ける、と。
今日は、その先です。決めるだけでなく、どう任せて、どう育てるか。
「人間がちゃんと確認すればいい」。正しいです。でも、これだけだと、ふわっとしすぎて、明日は使えない。
だから今日は、もう一歩、具体の術に落とします。
AIを「使う」だけなら、もう誰でもできる。差がつくのは、その先。任せて、育てられるかです。
「全部任せる」か「全部自分で」かの二択ではない。試すときは右へ、保存・共有を始めたら左へ。毎回、ツマミを動かす。
料理人に「いい感じに作って」だけでは、いいものは出てこない。うまくいかないのは、頼む言葉でなく材料を渡していないから。プロンプトを磨くより、背景を渡すほうが効く。
研修医を、初日の一回で見限る先生はいません。AIも同じ。出来で判断せず、ループで育てる。
信頼は最初から在るものでなく、回すほど育つもの。新人が一人前になるのに時間がかかるのと同じです。
困りごとを、そのまま話すだけ。
最初の月は外した(経費が売上に等)。直して、また回す。二回目はもう間違えない。
となりのAIWhy It Works
Frontier Firm ・ なぜループにこだわるのか
タスクは、渡せる。
でも、学習は、渡せない。
モデルは大手が作る。ただ使うだけなら、誰がやっても同じで、差にならない。差になるのは、自分のループを回した経験。頼み方も、渡す材料も、止める線も、そこにたまる。
比べる相手は「完璧(ゼロ)」でなく、今、人間がやったときの正解率。だからM&Mで次に活かす。AIも同じ物差しで。※件数はイメージ。率は仕事による。
任せる前に、やってはいけない線を先に引く。止め方を決めておけば、安心してアクセルを踏める。
その柵の中で、医療では、この2つだけは絶対に外しません。ここは、私たちがいちばん訓練されてきた所です。
良い説明文・教材・チェックリストは型にして回し続ける。一度作った仕組みは、使うほど積み上がる資産です。
となりのAIWho Checks
責任は、先に決める
最後に診るのは、
誰か。
個人なら、全部自分。でもチームや組織で使うなら、誰がどこまで確認するかを先に決めておく。曖昧なまま任せると、何かあったときに止まります。機械の責任を誰が持つかは、工場ができた200年前から続く、古い問いです。
となりのAITake Home
今日の持ち帰り
任せて、育てる。
6つの術は、ぜんぶこの一周に戻ってきます。AIに「任せられるようになる」のがゴールではなく、AIを「育てられるようになる」。ここが、本当の価値です。
となりのAIYour Turn
次は、あなたの番
いつもの仕事を、ひとつ、
AIに任せてみる。
外来の小さな書きもの。学会の準備。メールの下書き。何でもいい。そして、一回で終わらせない。出てきたものを見て、直して、もう一回。そこから、変わります。