となりのAI ・ M3連載 ・ 実装シリーズ

第3回 最初の1個を、コードを書かずに作る

皆さん、こんにちは。『となりのAI』実装シリーズの第3回です。ここから手を動かす回です。コードは1行も書きません。Claudeに日本語で話しかけ、ブラウザで動く4択クイズ1問を一緒に作ります。

第3回 全 13 スライド 著者:岡本 賢

この回で使うツール

1表紙

最初の1個を、コードを書かずに作る

スライド 1:最初の1個を、コードを書かずに作る

前回の最後に、こう言いました。次は、あなたの番です。バイブコーディングで、自分のものを、作りはじめましょう、と。

今日は、その続きです。理論の回は、ここで終わります。今日から、あなたの最初の1個を、一緒に作ります。

AIに話しかけるだけで、ブラウザの中に動くものが生まれる。今日も、黒い画面は出てきません。

2B0 つかみ

でも、自分に作れる気がしない

スライド 2:でも、自分に作れる気がしない

第1回、第2回と、なぜ作るのか、なぜ今なのか、話してきました。医師が作る側に回る。その意味は、腹落ちした方も多いと思います。でも正直、こう感じている方も、少なくないでしょう。

分かった。でも、自分に作れる気がしない。作る、って、やっぱり難しそう。

わかります。私も、最初はそうでした。プログラミングの経験も、当時はほとんどありませんでした。

だから今日は、段差を全部なくします。Claude を開いて、日本語を、そのままコピペする。差し替えるのは、科名と苦手の話題、2か所だけ。

コードは1行も書きません。黒い画面も、出てきません。この15分のあいだに、あなた専用の1問が、画面で動くところまで、一緒にいきます。

3道具の宣言

今日使うのは Claude

スライド 3:今日使うのは Claude

このシリーズ、最初に言っておきます。今日使う道具は Claude です。Anthropic の Claude。

Claude のアプリ、または claude.ai にログインして、新規チャット を開いておいてください。コードを書く画面ではありません。この入力欄から始めます。

まずは1問作ってと頼むだけで、十分です。このあとの実演も、停止して手を動かすパートも、すべてこの Claude の画面で進めます。黒い画面は出ません。

4B1 今日の一勝

1問が動き、正誤が返る

スライド 4:1問が動き、正誤が返る

今日のゴールを、先に言います。あなたの苦手を問う1問が、画面で動いて、選ぶと正誤が返る。ここまでです。

それ以上は、今日は求めません。今日はこのツマミを一番右へ。作るのは、全部AIに任せます。あなた1人がやるのは、2つだけ。

  1. ① AIに頼むこと。② 出てきたものを診ること。

これが、今日の運転席です。AIは、とても優秀な研修医のようなものです。一言で形にして、返してくれる。

でもそれが正しいかどうか、最後に診るのは、あなたです。

5B2 実演①

まず全体の流れを、ジャンプカットで見ます

スライド 5:まず全体の流れを、ジャンプカットで見ます

では、ここから実演です。まず私が、同じことをやって見せます。これが、本物の画面です。

特別な開発ツールは、何も開いていません。いつものチャットの入力欄に、日本語で注文を打つ。それだけです。

待ち時間は飛ばして、注文する、できる、直す、結果を見るところだけ、つないであります。まずは全体像を、ざっと見てください。

6B2 実演②

送信してから、動くまで

スライド 6:送信してから、動くまで

送信したあと、画面ではこの順番で進みます。

一、打つ。 いま見た、あの入力欄です。二、数十秒、待つ。 止まったように見えても、動いています。固まってはいません。

三、右に画面が開く。 作ったものが、横に現れます。

四、コードが流れる。 中身は、読まなくていいです。

五、問題が現れる。 ここまで来たら、今日の一勝の半分は、終わりです。

いちばん不安になるのは、途中の待ち時間です。そこで閉じないでください。できたものを受け取ってから、診る。 それで大丈夫です。

生成中の待ち時間は異常ではありません。Claude は内部でHTMLやJSを組み立てているため、数十秒の沈黙は通常動作です。ブラウザタブを閉じず、完了後に出力を確認してください。

7B2 実演③

できたクイズを押して、結果まで見る

スライド 7:できたクイズを押して、結果まで見る

そして、これが数十秒後の画面です。長い待ち時間は飛ばして、選ぶ、進む、結果を見るところだけ、つないであります。私の苦手を問うクイズが、もう動いています。

選択肢を押すと、結果まで進めます。コードは、1行も書いていません。書いたのは、日本語の注文、1つだけ。

8別題材レーン

題材は、クイズじゃなくてもいい

スライド 8:題材は、クイズじゃなくてもいい

これから毎回、私はこの自分の苦手を問うクイズを育てていきます。でも、あなたが作るものは、クイズじゃなくてもいいです。抄読会の進行ボード。

旅行の持ち物チェッカー。週の献立ボード。医学英語のフレーズ帳。

頼み方の骨格は、同じです。何を作っていても、今日の一勝は同じ。1個、動く。それで合格です。

指示文(コピペ用)

(作りたいもの1行)を作ってください。画面上で操作できる形にしてください。

9B2 ⏸①

ここで一度、止めてください

スライド 9:ここで一度、止めてください

ここで動画を一度止め、以下をその場で試してください。いよいよ、あなたの番です。画面の文言を、そのままコピペしてください。

差し替えるのは、◯◯の2か所だけ。自分の科と、自分の苦手。

指示文(コピペ用)

私は◯◯科の医師です。私が苦手な「◯◯」について、4択クイズを1問作ってください。画面上で選択肢を選んで解ける形にしてください。

指示文(コピペ用)

(作りたいもの1行)を作ってください。画面上で操作できる形にしてください。

  • 完了条件は問題文(作ったもの)が画面に出たら、再生に戻ってきてください。

10B3 診る→直す

ここだけ覚える

スライド 10:ここだけ覚える

出てきた問題がなんか違うとき、どっちの直し方が上手いでしょう。研修医が作った問題を、上級医が理由をつけて直すのと、同じです。曖昧に頼むと、曖昧に返ってきます。

  • A:なんか違う。直して
  • B:選択肢Cは◯◯の理由で不正解とは言えないので、□□に差し替えて

この一巡り、頼む → 出る → 診る → 直す。これを検証ループと呼びます。このシリーズで、いちばん大事な型です。

次に、出てきた1問を、医師の目で診てみてください。選択肢は医学的に妥当か。

正解は、本当に正解か。妥当でない所を1か所、言葉で直してみてください。

この頼む → 出る → 診る → 直すを検証ループと呼びます。修正指示はなんか違うではなく、医学的理由を1文添えると、出力の再現性と品質が上がります(研修医へのフィードバックと同型)。

11B4 ⏸②

正誤が返るところまで動かす

スライド 11:正誤が返るところまで動かす

もう一度動画を止め、次の指示を試してください。今日の本命です。

指示文(コピペ用)

正解を選んだら○、不正解なら×と「なぜその選択肢を選びやすいか」の一言を表示するようにしてください。

作ったものに押すと反応が返る動きを1つ足してください。一発で完璧じゃなくても、大丈夫です。…どうぞ。

  • 完了条件は正解と不正解を1回ずつ試して、判定が正しく返ったら、再生へ。

12B5 安全ライン

今日から、外さない一線

スライド 12:今日から、外さない一線

最後に、ひとつだけ。今日から始めてほしい癖があります。題材は全部ダミー。

患者情報、PHIは、最初から入れない。これは学習用のドリルで、データはまだ自分の画面の中だけです。それでも、最初から患者情報は入れない。

今日始める癖は、これ1つだけで十分です。道具が便利になるほど、実データを入れたくなります。その瞬間が、いちばん危ない。

この話は、シリーズの中で、正面から扱います。

13B6 勝ち→次

まだチャットの中、が次の入口

スライド 13:まだチャットの中、が次の入口

今日の到達を、1文で言います。コードを1行も書かずに、あなた専用の1問が動いて、正誤が返った。別題材で来た人も、1個動いたなら、今日は合格です。

ただ、この1問、いまどこにありますか。Claudeのチャットの中です。PCの前でしか使えない。

次回、これをチャットの外に出します。スマホから3秒で開けて、同僚にも渡せる、あなたの道具にする回です。あせらず、ゴロゴロしながら。

それでは、また来週。今日は、ありがとうございました。

参考文献・リンク

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