となりのAI ・ M3連載 ・ 実装シリーズ

第5回 数字で、現在地を見る

皆さん、こんにちは。『となりのAI』実装シリーズの第5回です。前回ポケットに入れた道具に、測れる数字を足します。注文書を3行書いてから渡し、画面に数字が出るところまでをまとめました。デモは自己クイズですが、別題材でも数字が出れば合格です。

第5回 全 14 スライド 著者:岡本 賢

1表紙

数字で、現在地を見る

スライド 1:数字で、現在地を見る

前回の最後に、こう言いました。道具だけでなく、仕事そのものをAIに任せる話へ、と。今日は、その続きです。

任せる、の一歩目。曖昧に頼むと、曖昧に返る。今日は注文書を3行書いてから、測れる数字を任せます。

デモは自己クイズで見せます。でも、あなたの道具がクイズでなくても大丈夫。数字が出れば、今日は合格です。今日も、黒い画面は出てきません。

2B0 つかみ

任せる=注文書を書いて渡す

スライド 2:任せる=注文書を書いて渡す

前回、道具がポケットに入りました。ホーム画面から3秒。同僚にも渡せる。

でも、正直に言うと、まだ現在地が見えない。1問解けても、何問中何問できたかが分からない。持ち物リストなら、何個詰めたかが見えない。

前回言った任せるを、今日はこうやります。注文書を3行書いてから、測る仕事を任せる。診療の指示出しと同じです。曖昧だと、曖昧な結果が返る。

3B1 なぜ今これか

動く道具はある。測れない

スライド 3:動く道具はある。測れない

続く道具は、動くだけでは足りません。測れるところまで来て、初めて育てるが始まります。今日のゴールは1つ。

注文書を3行書いて渡し、画面に数字が出る。デモでは何問中何問、合格/不合格。別題材なら、完了数でも、月額合計でも、残り時間でもいい。

測るものが数字で返ってきたら、合格です。

4B1 注文書

穴埋め3行だけ書く

スライド 4:穴埋め3行だけ書く

難しい言葉だと mini-PRD。要は注文書です。書くのは、この3行だけ。

1. つくりたいもの(例:苦手分野のクイズを連続で出すドリル)2. 測るもの(例:正解数/完了数/月額合計)3. 合格、完了の基準(例:3問中2問で合格/残り0で完了)穴埋めです。白紙から考えなくていい。これから先の回でも、毎回この型を貼ります。

5B2 実演

注文書を、そのまま渡す

スライド 5:注文書を、そのまま渡す

実演です。ポケットに入れたクイズを開きます。打つ文言は、これだけ。

「次の注文書の通りに作り変えてください。つくりたいもの: 苦手分野のクイズを3問連続で出すドリル測るもの: 正解数合格、完了の基準: 3問中2問正解で合格。部分点なし。

○か×だけ。」。3行が、そのまま乗ります。数十秒後、3問+点数が出る。

3問中◯問正解、合格/不合格。数字が、出るようになった。

6B2 ⏸①

ここで一度、止めてください

スライド 6:ここで一度、止めてください

ここで動画を一度止め、以下をその場で試してください。自分の注文書に、3行を埋める。クイズなら出題数と合格点。

別題材なら測るものと完了の基準を、あなたの言葉で。打つ文言の型は画面のまま。3行を貼って、次の注文書の通りに作り変えてください。

  • 完了条件は画面に数字が出たら、再生へ。

7B3 開きの2択

どっちの注文が上手い?

スライド 7:どっちの注文が上手い?

クイズです。どっちの注文が上手いでしょう。正解はB。理由を添えて具体的に指示する方がうまくいきます。Aは悪い人ではありません。過去の自分です。

  • A:いい感じの採点機能つけて
  • B:10問出して7問正解で合格。1問ごとに正誤を表示

でも、Aだと検証の物差しがない。Bなら、出てきたものを注文書と突き合わせられる。正解(注文書)を手元に持つから、気づける。

8B3 診る

境界値は、自分の基準か

スライド 8:境界値は、自分の基準か

頼む → 出る → 診る → 直す。見る観点は3つ。医学的に正しいか/注文書どおりか/安全か。

今日いちばん見るのは、真ん中。◯問で合格は、本当に自分の基準か。部分点の扱いは妥当か。

研修医が出してきた鑑別を、そのまま信じない。あれと同じ動作です。

9B3 失敗実演

注文書と、ズレている

スライド 9:注文書と、ズレている

注文書には2問正解で合格。でも画面は、2問正解なのに不合格と出ている。検証しなければ、見逃します。

作る前に決める。だから、検証できる。これが今日いちばん持って帰ってほしいことです。

指示文(コピペ用)

合格ラインがズレています。注文書どおり、3問中2問正解で『合格』と表示してください。

10B4 ⏸②

測る基準を、自分のに書き換える

スライド 10:測る基準を、自分のに書き換える

もう一度動画を止め、次の指示を試してください。あなたの道具の測る基準を、自分の言葉に書き換える。クイズなら:合格ラインを、◯問中◯問正解に変えてください。

別題材なら:完了の基準を、◯◯に変えてください。数字の表示が、自分の基準で切り替わったら、再生へ。…どうぞ。

11別題材

点数じゃなくてもいい

スライド 11:点数じゃなくてもいい

デモは自己クイズで通しています。でも、あなたの道具がクイズでなくても大丈夫です。抄読会ボードなら、経過時間。

学会準備チェッカーなら、完了数/残数。旅行の持ち物なら、詰めた数。サブスク棚卸しなら、月額合計。

数字が出れば、今日は合格。測るものが違っても、注文書の型は同じです。

12B5 安全ライン

測るのは、自分の学習用

スライド 12:測るのは、自分の学習用

最後に、ひとつだけ。採点も、完了数も、自分の試験勉強、自分の準備用。患者さんの評価には使わない。

患者情報は、最初から入れない。数字が見えると、実データを入れたくなります。その瞬間が、いちばん危ない。

13B6 成長差分

測れる道具になった

スライド 13:測れる道具になった

Before:動く。でも現在地が見えない。After:注文書を書いてから渡し、数字が返る。

現在地が、測れる。別題材で来た人も、数字が出たなら合格です。

14B6 勝ち→次

数字は出た。でも、閉じると消える

スライド 14:数字は出た。でも、閉じると消える

今日の到達を、1文で。注文書を3行書いてから任せ、測れる数字が出た。ただ、この数字、ブラウザを閉じると消えます。

昨日の自分と、比べられない。次回、閉じても消えない記録を残します。条件リストだけで足す、ミニボスの回です。

あせらず、ゴロゴロしながら。それでは、また来週。今日は、ありがとうございました。