How it works

1本の資料が、
こうしてできる

2026年7月17日、札幌。
日本デジタル医学会のワークショップで使った90分ぶんの資料を、
最初のメモから、公開後の姿までそのまま並べました。
作例ではなく、実際に使われた物です。工程は5つ。起こす・書く・出す・残す・HTML。

最初のメモ 05/24

企画案1枚。会場も時間割も、まだ何も決まっていない。

本番 07/17

北海道大学エンレイソウ。90分・ハンズオン。

かかった日数 54日

そのうち資料づくりは、台本が固まった7月3日からの2週間。

残った物 42枚

HTMLが1ファイル。95,882バイト。ブラウザだけで開く。

01
Capture ・ 起こす

まず、1枚のメモに落とす

スライドを1枚も作らないうちに、日時・タイトル・誰に何を約束するかだけを書く。

この回のメモには「このタイトルで何を約束しているか」という節がある。コードを書かずに=ハードルゼロ、小さな道具=持ち帰りが具体、体験=手を動かす。この3行が、あとの42枚すべての判断基準になった。

ここで決まらないものは、次の工程で必ず揺れる。

出た物
企画案 1本
日付
2026-05-24
分量
8,108 バイト
使う場所
資料ハブ
実物企画案.md ・ 2026-05-24 ・ 冒頭
# AI/LLMワークショップ 企画案(確定版・バイブコーディング)

## 基本情報

- 日時: 2026年7月17日(金)15:00〜16:30(90分)
- 会場: 北海道大学 エンレイソウ
- 講師: 岡本 賢
- 主催: 第2回日本デジタル医学会年次学術大会

## タイトル(確定)

**コードを書かずに作る、医療現場の小さな道具 ─ バイブコーディング体験ワークショップ**

### このタイトルで何を約束しているか

- 「コードを書かずに」: ハードルゼロ。プログラミング未経験OK
- 「医療現場の小さな道具」: 持ち帰りが具体。汎用ではなく自分の現場
- 「体験」: 聞くだけでなく手を動かす

→ 医師・看護師・薬剤師・PT/OT・歯科・検査・栄養・医療事務、全職種に届く言葉に絞った。
同じことを、ハブの議事メモで起こすと/briefs/memo/

この回は Markdown で書いた。ハブのテンプレを使えば、同じ内容が最初から HTML で残る。どちらでも次の工程は変わらない。

02
Write ・ 書く

話す言葉を書いて、
枚数に割る

スライドより先に台本を書く。90分をどう使うか、どこが山でどこが谷かを、時刻で決める。

台本が決まったら構成表に割る。1行が1枚。各行に「主役ビジュアル」と「台本の何分か」を書くので、1枚も作らないうちに出来上がりが見えている。

削る順番も先に決めておく。押したときに何から落とすかを本番で考えないため。

「主役ビジュアル」の欄に書いた図解は、ほとんどが既にある部品。ゼロから描くものは少ない。

出た物
台本 + 構成表
日付
2026-07-03
分量
37,062 バイト
割った枚数
本編38 + 予備5
実物講師台本_v2_2026-07-03.md ・ 時間割
時刻ブロックエネルギー
14:45-15:00開演前・助走(ログイン救済レーン)低・準備
15:00-15:04自己紹介30秒+ゴール宣言+ログイン一斉確認中・つかみ
15:04-15:12問い+ライブビルド(見せてから語る)高・第一の山
15:12-15:18Vibe定義+「正直な話」(脆さの証言まで)中→静・内省
15:18-15:275つの鉄則(テンポ速く保温)中・軽い座学
15:28-15:35Step0 業務書き出し+お題提示中・作業の入口
15:35-15:52Step2 実装(前半)中・鋸歯
15:52-15:54集団ビート(全員ストップ90秒)高・一体感の小山
15:54-16:03Step3 修正ループ(可変5〜8分)中・手応え
16:03-16:05省察ビート(言語化90秒)低・内省
16:05-16:10Step4 URL取得+投稿+ペア相互承認中→高・達成の共有
16:10-16:22共有タイム(接続ゼロ・時間の安全弁)高・祝祭
16:22-16:25地図+安全+7/19送客中→静
16:25-16:28最初の一人へ(時代論を集約)頂点・大山
16:28-16:30締め+動かなかった人への1文+メルマガ高→静・余韻
実物スライド構成表_v2_2026-07-03.md ・ 第1部(全42枚のうち13枚)
#スライド主役ビジュアル源台本
01表紙(新タイトル・岡本賢・小児科医/AMPL)タイトル組版流用010:00
02COI開示(1行×3・小さく誠実に)テキストのみ新規0:00
03「手元でこのサイトを開いてください」QR+URLQR大新規0:00
04ゴール「16:30に、自分のツールのURLを持って帰る」大1行流用030:01
05問い「毎週5分以上消えている繰り返し。何か浮かびますか?」大1行新規0:02
06【画面切替】ライブビルドここから(講師用の目印枚)─新規0:04
07minaton(生成待ち小話用・トップ画面1枚)スクショ主役流用05改0:06
08[opt] ライブビルド保険(生成失敗時のみ)スクショ主役新規─
09Vibe Coding定義(Karpathy, 2025)「書く工程→話す工程」図解流用04改0:10
10「正直、最初は地味です」大1行新規0:11
11「正直な話をします」大1行(間を作る)新規0:12
12成育40名・10%→80% → 愛育でまた一人図解主役新規0:13
13「2026年のAI = 1995年のインターネット」年表ミニ図解新規0:16

15:00から16:30まで、全ブロックそのまま。

スライドを直す場所/studio/
1枚ずつ作らない。部品から組む/patterns

この回の42枚も、フロー図・2x2・階段バー・KPI大数字といった既にある部品を並べて組んでいます。ゼロから描いたのは図解の中身だけです。

03
Ship ・ 出す

構成表の1行が、1枚になる

ここでデザインは選ぶだけ。会社紹介なら Modern、学会なら Logic、症例なら Clinical、表紙のヒーローなら Noir。様式が決まるので、決めるのは中身だけになる。

この回は白エディトリアル。本文1.4rem・図解が主役・差し色はティール1点という基準を全42枚に通した。

下が本番で投影した現物です。矢印キーでめくれます。

出た物
デッキ 1本
枚数
42枚
テーマ
白エディトリアル
本番
2026-07-17
当日のデッキ(42枚・全編)jsdmh-ws-2026.vercel.app
デッキ1枚目:生成AI/LLMで、コードを書かずに作る医療現場の小さな道具

表紙の写真は差し替え可能な素材。章扉の背景と写真のストックは Assets にあります。

04
Keep ・ 残す

終わってから、
残す場所を決める

発表が終わった資料には、その場で1行だけ聞くことにしている。「これ、過去の作品に入れますか」。

入れると決めたものだけが一覧に並ぶ。下書き・院内向け・社外秘は入らない。自動では入らないのがこの工程の要点です。

一覧の正本はテキスト1行。増やすのも減らすのも、この行の足し引きだけ。

出た物
一覧のカード 1枚
正本
past-works.tsv
判断
毎回、人が決める
現在
27作品
実物decks/tonarinoai-shared/past-works.tsv ・ 18行目
jsdmh-ws	-	講演・ワークショップ	日本デジタル医学会 ワークショップ	ハンズオン ・ 42枚	https://jsdmh-ws-2026.vercel.app/slides/deck/

この1行が、下のカードになります。表紙はデッキの1枚目から自動で切り出したもの。

日本デジタル医学会 ワークショップの表紙
講演・ワークショップ

日本デジタル医学会 ワークショップ

ハンズオン ・ 42枚

05
The file ・ HTML

残るのは、
HTMLが1ファイル

最後に手元に残るのは、テキストファイルが1つだけ。アプリもアカウントも要らない。ブラウザで開けば再生でき、印刷すればPDFになる。

中身は読める形で残っている。5年後に開いても、文字を直せば直る。誰かのサービスが終わっても消えないのが、この形を選んでいる理由です。

ファイル数
1
行数
1,035 行
サイズ
95,882 バイト
外部依存
Webフォントのみ
実物jsdmh-ws-2026/index.html ・ 1枚目のソース
<section class="slide slide-title slide-photo photo center title-ward"
         style="background-image:url(assets/cover-title-ward.png)">
  <p class="label">Medical Vibe Coding ・ Hands-on</p>
  <h1>生成AI/LLMで、<br>コードを書かずに作る<br>医療現場の小さな道具</h1>
  <p class="sub">バイブコーディング体験ワークショップ<br>
     岡本 賢(愛育病院 小児科/AMPL Inc.)</p>
  <span class="cap">2026.07.17 ・ 第2回日本デジタル医学会 × 北大HELIOS ・ エンレイソウ</span>
</section>

見た目の指定はこのファイルには入っていません。slide-title のような名前でテーマ側のCSSを呼ぶだけ。テーマを替えれば、同じ文章のまま様式だけ変わります。

Same pipeline

同じ5工程で、スライド以外も作れる

資料ハブに入っているのは、全部この工程で動く HTML です。 複製して中身を差し替えれば、そのまま自分の1本になります。

Memo議事メモ日付・参加者・決めたこと・次のアクションを1枚に残す。スライドにしない。実物を見る → One-pager1枚物相手に渡す前提の1枚。要点と数字と次の一手だけを置く。実物を見る → Proposal提案書背景・提案・進め方・条件。講演や監修の相談に返す形。実物を見る → Report報告書やったこと・分かったこと・次の判断。終わった仕事を残す形。実物を見る → Checklistチェックリスト当日の持ち物・手順・確認事項。現場で開いて潰していく形。実物を見る → DeckスライドModern / Logic / Clinical / Noir の4様式。場面で選ぶだけ。デザインを選ぶ →